各都道府県の出身者数を算出してみた

皆さんは自分の都道府県の出身者数が何人くらいなのかを知っていますでしょうか?

都道府県別の人口は見たことあっても、出身者数となると意外と知らないのではないのでしょうか?

実はそれもその筈で、都道府県別の人口はe-Statでもデータが公開されているのですが、出身者数に関してはデータがないのです。

Googleで「都道府県別 出身者数」「〇〇県 出身者数」と検索してみても、ヒットするのは芸能人やスポーツ選手の都道府県別出身者数です。

そこで今回は、都道府県別の出身者数を算出してみようと思います。

使用データ

出身者数を直接表すデータはないので、別のデータを使って出身者数を間接的に推測します。出身者数に関連するデータとしては、出生数があります。e-Statでは都道府県毎の年度別出生数データが公開されているので、こちらを使用します。

 

算出方法

出身者数を算出するには、年度毎の出生数を合計した後、年度毎の死亡者数を引くのが理論的には正しいです。一方で、各年度の出生者が現在も生存しているのか、死亡しているのかのデータは存在しません。そこで今回は死亡者数の代わりに、平均寿命を用います。日本人の平均寿命は約84歳なので、「84年以内に生まれた人は今も全員生きていて、84年以上前に生まれた人は全員死んでいる」と仮定して、84年以内の出生数のみを合計します。

※現時点の平均寿命は84歳ですが、昔は平均寿命がもう少し低かったことを考慮して、実際には84年以内ではなく81年以内に生まれた人だけを合計することにします。

 

データ前処理

出生数を調査する「人口動態調査」は毎年ではなく、5年毎に行われるため、人口動態調査が実施されない都市の出生数は欠損しています。

5年では出生数は大きく変化しないと仮定して、欠損している年度は直近の年度の値で補完することにします。

 

また、沖縄県のみ日本に変換される前である1972年以前のデータは記載されていません。こちらは1975年の値で補完することにします。

 

可視化

前処理したデータの年度を合計して、出身者数を算出します。

都道府県毎の前に、全都道府県の合計出生数を算出してみると、

123768672人

でした。日本の人口が1億2397万人なので、ほぼ近い数字になっています。

次に今回の目的である都道府県毎の出身者数を算出します。

都道府県 人口 出身者数
北海道 5320000 5974744
青森県 1230000 1765814
岩手県 1210000 1655992
宮城県 2330000 2343121
秋田県 950000 1400236
山形県 1090000 1415965
福島県 1790000 2480052
茨城県 2890000 2839731
栃木県 1970000 2064616
群馬県 1910000 2052675
埼玉県 7260000 5341592
千葉県 6220000 4575807
東京都 13900000 11281947
神奈川県 9270000 6665917
新潟県 2210000 2800642
富山県 1040000 1216163
石川県 1130000 1260091
福井県 760000 915397
山梨県 820000 918284
長野県 2050000 2268384
岐阜県 1960000 2107309
静岡県 3700000 3729934
愛知県 7550000 6631648
三重県 1810000 1821668
滋賀県 1420000 1240195
京都府 2580000 2430549
大阪府 8830000 8064408
兵庫県 5530000 5222556
奈良県 1370000 1153375
和歌山県 930000 1119506
鳥取県 550000 670134
島根県 670000 916427
岡山県 1910000 2009593
広島県 2800000 2884048
山口県 1350000 1682398
徳島県 730000 944408
香川県 970000 1092837
愛媛県 1340000 1715578
高知県 680000 878116
福岡県 5100000 5068072
佐賀県 820000 1100188
長崎県 1320000 1986559
熊本県 1740000 2161311
大分県 1160000 1399532
宮崎県 1070000 1396178
鹿児島県 1360000 2164226
沖縄県 1440000 1589508

数値だけでは分かりにくいので、人口と出身者数の差も可視化してみます。

青色は人口より出身者が少ない県を、赤色は人口より出身者が多い県を表しています。
首都圏は人口と出身者数に大きく乖離があることがわかりますね。また、宮城・静岡・三重のように出身者数と人口が大体同じくらいの都道府県も存在します。

 

まとめ

今回は出生数を用いて、各都道府県の出身者数を算出しました。

  • 都道府県別の出身者数のデータは存在しない
  • 出生数を用いて近い数字が算出可能
  • 都心部と地方とでは人口と出身者数には大きな差がある

次はもう少し深掘りして、「自分の県にはどの県の出身者が多いのか」、「東京在住者の内、東京出身者はどれくらいいるのか」を分析してみるのも面白そうですね。