はじめに
今年の目標として、「〇〇冊本を読む!」といった読書目標を立てられている方は多いのではないでしょうか。
昨年の私もそうでした。私の場合は、「年間365冊の本を読む!」と目標を立て、なんとかやり切りました(しんどかった。。。)
ただやってみて分かったのですが、このような冊数での読書目標を設定することはオススメしません!なぜなら、本を読むこと自体が目的になってしまい、3つの弊害が生じるからです。この記事では、実体験を通して学んだ、冊数で読書目標を設定すべきでない理由をご説明します。
手段の目的化
私は自分の知識や教養を広げたく、今年はいつも以上に本を読もうと思っていました。とはいえ、「たくさんの本を読む」といった漠然な目標を立ててもサボりそうな気がしたので、強制的に読書習慣をつけるためにも、「1日1冊、年間365冊の本を読む」という定量的な目標を設定しました。
目的:知識を広げる
目標:1日1冊、年間365冊の本を読む
しかし、最初の頃は良かったのですが、「今日は達成できた」、「今日は読みきれなかったから残りは明日読もう」という風に進めていくうちに、「今日は疲れたから薄い本にしよう」、「この本なら1時間で読めそうだ」等と、本を読むこと自体が目的になっていることがありました。いわゆる手段の目的化です。
目的:1日1冊、年間365冊の本を読む ←手段の目的化
本を読むこと自体が目的になると、以下の3つの弊害が生じます。
①無駄な読書が発生する
②専門書を読まなくなる
冊数を目標にしていると、「何を読んだか」よりも、「何冊読んだか」を重視するようになります。読むのに数週間かかる鈍器を読んでも、1時間で読める本と同じ1冊としかカウントされないのです。
本来は知識を得ることが目的なので、情報量が多い前者を読むべきですが、読むことが目的になると、前者のような読むのに時間がかかる本は避けがちになります。
10時間かけて1冊読むよりも、同じ10時間なら、2時間で読める本を5冊読むことを選択してしまいます。
③情報収集の効率が下がる
本を読む目的の一つに情報収集があるかと思います。自分が分からないことを調べる、仕事で必要な知識をインプットする等です。
情報収集のための読書であれば、本の一部分だけを読めば欲しい情報は得られるケースが多いです。
しかし、冊数が目的になっていると、
「せっかく一部を読むのであれば、残りの部分も読んで1冊としてカウントしたい」
と思うようになり、必要な情報を得るのに1冊分の時間がかかることもあります。※私は本の8割以上を読まないと読んだと見なさいルールにしていたので
また、情報収集の手段としてネットや論文の方が妥当なケースにも関わらず、
「1冊としてカウントしたいから、本で情報収集しよう」
と、非効率的な手法をとることもあります。
まとめ
以上3つが冊数で読書目標を設定すべきでない理由になります。
- 無駄な読書が発生する
- 専門書を読まなくなる
- 情報収集の効率が下がる
ここまでデメリットばかりを上げてきましたが、もちろんメリットもあります。
- 定量的に管理できるので、継続しやすい
「無駄な読書をしないように、読む価値のない本は途中で読むのを辞める」、「専門書を読むためにも固定で読むべき本も決めておく」等の方法と組み合わせれば、冊数で目標設定しても問題ないかもしれません。
1年間読書してみた感想としては、ベストなやり方ではなかったけど、やらないよりは断然良かったと思っています。引き続きベストな方法を探索していきます。